プロパンガスの料金はガス会社を切替えるだけで大幅に引き下げることができるケースが多々あります。それは、プロパンガスの料金体系が不透明なことが原因です。
2017年6月に液化石油法改正ではプロパンガス料金に関して、設備費用の明示が義務化されることが決まりました。他にも次のような事項も義務付けられました。
悪質なプロパンガス会社は、消費者がわからないように長年にわたり少しずつ不正な料金値上げを行います。「液化石油法の改正」などで、プロパンガスの料金の内訳が透明化されることで、何が値上げされたのか?何が高いのか?など料金が高い原因が浮き彫りになりつつある状況です。
そこで、以下では現在のプロパンガス料金の代表的な料金体系についてその内容や特徴などについてわかりやすく解説します。
「1部料金制」「2部料金制」「3部料金制」の3種類があり、細かい料金をしない「1部料金制」の請求書でも良かった時代があるから。
プロパンガス料金には大別すると「1部料金制」「2部料金制」「3部料金制」の3種類があります。
「1部料金制は」以下で表示する組み合わせ(基本料金・従量料金・設備使用料)を使わないで、料金を1つにまとめて総額で表示するものです。
「2部料金制」と「3部料金制」は以下の組み合わせで料金を構成します。2つの組み合わせは「2部料金制」で3つの組み合わせだと「3部料金制」になります。
プロパンガス使用量に関係なく毎月一定額請求される料金のことで、容器やメーターなどの設置費用や保安や検針に係る料金等が該当します。
従量料金
ガスの使用量に応じてかかる費用のことで、ガスの原材料費やガスの配送費用が該当します。
設備費用
2部料金制では基本料金の中に含まれて請求されますが、3部料金制では設備費用という独立した項目で請求されます。
比較表
1部料金制 | 金額のみ(詳細なし) | - | - |
---|---|---|---|
2部料金制 | 基本(設備費用) | 従量料金 | - |
3部料金制 | 基本 | 従量料金 | 従量料金 |
ここでは1か月のプロパンガス料金が5,000円だと仮定した場合に、1部料金から3部料金まで具体的に数字で解説していきます。
1部料金制
ロパンガス料金の内訳が明確に消費者に表示することを、2017年6月になってからようやく義務化されました。今も、この1部料金制を行っている所は違法ということになります。
1部料金制とは料金の明細を表示しないで請求総額のみを請求書に記載する料金体系です。
最近の液化石油法の改正でこの1部料金制は違法となりますが、この料金体系の領収書は基本料金、従量料金、設備料金の区分はなく「今月は5,000円を請求します」というものになります。
もしガス料金が高くなったとしても、基本料金が上がったのか従量単価が上がったのかの区別がつきません。
参考までに1部料金制の請求書を以下に表示しますが、これだと基本料金も従量単価も全く分かりません。
出典:https://gasuyanomadoguchi.com/shindan_kodate.php
2部料金制
基本料金と従量料金を区分して請求書に記載する料金体系は2部料金制です。
このケースで基本料金の金額が2,000円だったとします。
そうすると2部料金制を採用しているガス会社の料金請求書は、請求総額5,000円(内訳:基本料金2,000円、従量料金3,000円)と記載した請求書になります。
請求書には対象月のガス使用量が表示されているのが普通ですが、この場合の1か月のガス使用量が10㎥だとすると従量単価は3,000円÷10㎥=300円/㎥となります。
従量単価については2部料金制を採用しているプロパンガス会社の中には、請求書に従量単価を記載するところもありますので、その場合は従量単価は計算する必要がありません。
参考までに2部料金制の請求書を以下に表示しますが、これだと基本料金と従量料金がはっきり分かります。
出典:https://kanagawa-lpg.com/lp/compute_how/
3部料金制
このケースで、基本料金の中に新築住宅にプロパンガス供給設備を設置した際の工事費回収分500円が含まれていたとします。
そうすると3部料金制を採用しているガス会社の料金請求書は、請求額5,000円(内訳:基本料金1,500円、従量料金3,000円、設備費用500円)と記載されます。
設備料が500円と明示されている場合、初期費用の回収期間が経過し初期費用の回収が終わると、設備料の500円分だけ料金を下げる必要があることが誰の眼にもはっきりします。
比較表
1部料金制 | 2部料金制 | 3部料金制 | |
請求総額 | 5,000円 | 5,000円 | 5,000円 |
基本料金 | - | 2,000円 | 1,500円 |
従量料金 | - | 3,000円 | 3,000円 |
設備費用 | - | - | 500円 |
※ガス使用量は10㎥、従量単価は@300円とします。
請求料金から基本料金を引けば従量料金が計算できるので、自分で値上げに気づくことができます。しかし、プロパンガスの利用開始に当たってかかった配管設置費用やメーター代金を、毎月の料金に上乗せして月賦払いとするケースがある場合は3部料金制の方がよいでしょう。
料金透明化という観点からすると、毎月請求されるプロパンガス料金の内訳はできるだけ詳しく消費者に説明されるべきです。
料金内訳が曖昧だと、消費者は自分が毎月支払うプロパンガス料金が高いのか安いのかが分かりません。以前のプロパンガス料金は1部料金制のガス会社も多くありました。
1部料金制の場合、従量単価を少し上げたぐらいでは消費者が値上げに気が付かないので、正当な理由のないガス会社の勝手な料金値上げが頻繁に行われたと言われています。
基本料金の従量料金を分けた2部料金制だと、請求料金から基本料金を引けば従量料金が計算できるので、従量料金をガス使用量で割れば従量単価が簡単に計算できます。
ガス使用料が同じなのに従量料金が増えていれば、ガス料金が従量単価を上げていることになるわけですが、2部料金制だとガス会社の値上げに消費者がすぐに気が付きます。
原油高や円高などの正当な理由がない場合にガス会社が勝手に従量単価を上げると、消費者からクレームが入るので2部料金制ではガス会社の不正な値上げが難しくなります。
3部料金制だと、ガス料金の初期費用の回収分などが含まれていれば請求書にその金額が明示されます。そうすると、新規契約から10年とか15年とかが経過して初期費用の回収が終わると、ガス料金が設備費用の分だけ下がるべきことが誰の眼にもはっきりするからです。
ガス料金の中に初期費用等の回収分が含まれていても、2部料金制ではその金額が基本料金に含まれて表示されます。もしも、設備費用の回収期間が終わっても設備費用をガス会社が請求し続けていても、消費者がそのことに気が付くことはほとんどありません。
ガス会社の方でも、回収期間が終わった後も設備費用をそのまま請求し続けていても、消費者からクレームがほとんど来ないので、そのまま請求し続けることが多くなります。
3部料金制の場合には、設備費用の回収が終わってもその請求が続いていると請求書を見た消費者からクレームが入りやすいので、そういった事態は起こりにくくなります。
3部料金制は、ガス会社が従量料金の勝手な値上げと設備費用の過大請求の双方を行うことを防止しやすいので、この料金体系が最も望ましいものであると言えます。
新築住宅に引っ越す際などには契約するプロパンガス会社を自分で選択しなければなりません。
その際、1部料金制を採用している会社より2部料金制を採用している会社の方が、さらには3部料金制を採用している会社の方が、より信頼できる会社ということになります。
また、プロパンガス会社を切替えて料金を引き下げる方法はガス料金を引き下げる最も簡単な方法ですが、その前に、まず、自分が毎月支払っている料金が高いのか低いのかを判断しなくてはなりません。
そのためには、毎月自宅に送付されてくるプロパンガス請求書の見方を覚えて、その内容をよく確認することが重要です。
毎月送付されているプロパンガス料金の請求書をよく把握することが、プロパンガスを引き下げるための初めの第一歩ということができます。
今までのプロパンガス料金に関しては、料金の内訳が表示されず単に請求額○○円との未記載した請求書や検針票が使われることもありましたが、今後それは違法となります。
電話料金や水道料金などでは既に当たり前のことになっていますが、プロパンガスに関しては随分遅れていて、2017年6月になってからようやく義務化が実現しました。
プロパンガス料金の内訳が明確に消費者に表示されないと、儲けのことしか考えない悪徳なガス会社に不当に高い料金が設定されたり不当な値上げが行われやすくなります。
全てのプロパンガス会社が不当な料金を設定しているとは言いませんが、こういった業者は少なくありません。
法改正でプロパンガス料金の透明化が義務化されたことは今後プロパンガス料金の適正化や業界の健全化が期待できるので、非常に良いことだと言えます。
ガス料金に含まれる設備費用の明示で料金が下がる
携帯電話の場合には利用開始の際に端末代金を支払わないけれども、その後の毎月の料金支払いの際に端末代金を上乗せして支払うというケースがよくあります。簡単に言うと端末代金を月賦払いとするということです。
支払期間は12か月払い又は24か月払いというケースが多いですが、支払期間中電話料金は端末代金の返済分だけ高いですが、支払期間が終了すると料金は下がります。
携帯電話料金の場合には毎月の請求明細書に端末代金の月賦返済額が含まれている場合には、その金額が明示されています。
従って、返済期間が終了しても端末代金の請求が続いていると消費者からすぐクレームが入るので、払い終えた端末代金が請求されるということはありません。
一方、プロパンガス料金に関してもプロパンガスの利用開始に当たってかかった配管設置費用やメーター代金を、毎月の料金に上乗せして月賦払いとするケースもよくあります。
しかし、今までのプロパンガス料金では料金に含まれるそういった設備費用(初期費用も含む)等を消費者に明示する必要はありませんでした。
初期費用の月賦返済が終わっても料金が下がらずそのまま払い終わった初期費用を消費者が支払い続けるというケースも多発しています。
値上げの際の1か月前告知で料金は下がる
プロパンガスの原材料は外国から輸入する石油です。原油価格が高騰したり円安になると原材料費が上昇するので当然プロパンガス料金も値上げされます。
それは仕方のないことですが、問題は原材料費の上昇で一度プロパンガス料金が上がった場合、その後に原材料費が下がってもプロパンガス料金がなかなか下がらないことです。
その原因の1つとして、プロパンガス会社が原材料費が上がった場合に消費者にそれを通知することなく一方的に料金の値上げができたことが上げられます。
消費者に告知されない一方的な値上げがあると、消費者はそれが原材料費高騰による値上げであるかどうかが分かりません。
料金が上がっていても「今月はガスを多く使ったのかな?」と思ってそのままにしてしまうことが多くなります。
もし料金値上げが原材料費の高騰であるということが知っていれば、原油価格が下がったり円高になった場合でも料金が下がらない場合には消費者がクレームをつけます。
しかし、原材料費の高騰でガス料金が上がったということが分からないと、原材料費が下がってもガス料金が下がらない場合に消費者がクレームをつけるということはありません。
これをいいことに、一部の悪徳なプロパン会社は一度高騰した原材料費が下がってもガス料金を下げないで、不正の利益を上げていると言われています。
今回の法改正で今後は料金値上げの際には1か月前に消費者に告知することが義務付けられましたので、悪徳なガス会社がこういった不正な利益を上げる機会は減少するでしょう。
不正な値上げを防止できる請求書へ
プロパンガス料金の請求書には、以下の画像のように請求金額とガス消費量のみを記載したタイプのものが多く使われています。
このタイプの請求書では、基本単価がいくらで従量単価がいくらかということが分かりません。
そのため、ガス会社がこっそり従量単価を値上げしたとしても、消費者は「今月はガスを使いすぎたかな?」と思う程度で、その値上げに気が付くことはありません。
従量単価が請求書に明示されていれば、プロパンガス会社はこっそり従量単価を上げることなどはできません。
このことを利用して、一部のプロパンガス会社は原油価格が高騰したなどの正当な理由がない場合でも、勝手に従量単価を上げていると言われています。
今回の法律改正で、プロパンガス料金の請求書には基本料金と従量単価を明示して記載しなければならないことになりました。
これによって、消費者が気が付きにくいことを利用して、プロパンガス会社が正当な理由がないのに勝手に従量単価を上げることができなくなりました。
家庭用に使用されるエナルギーのうち、プロパンガスの占める割合は1990年には15.4%でしたが、2012年には11.4%と年々減少してきています。
(詳細⇒http://www.meti.go.jp/committee/kenkyukai/energy_environment/energy_kouri/pdf/h28_02_06_00.pdf)
都市ガス自由化やオール電化の普及など、プロパンガス業界を取り巻く環境は日々厳しさを増しています。
こういった状況下で危機意識が広がったのか、不公正な取引慣行、価格協定など、古いプロパンガス業界の体質を改めようとする動きが広がっています。今回の法律改正もその動きの1つです。
今回の法改正で、プロパンガス料金の透明化が実施され、プロパンガス料金の水準がより適正な水準となることが期待できます。
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その結果を見たうえで、「今のガス代が高いので別の会社を紹介してほしい」という方は、そのまま依頼することもできます。もちろん、現在利用しているプロパンガス会社のサービスに問題があるから、別の会社にしたいという方も、支払い方法をカード払いにしたいというご相談も可能です。
また、自分が住んでいる地域や、これから引っ越す地域のプロパンガス料金を調べることもできます。
価格.Comと提携で豊富な実績あり。
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